この記事の目次
図面・積算AIには、記号を拾うもの、部屋や建具を認識して商品を積算するもの、手書き図をCADデータへ変換するものなど、異なる種類があります。
「図面をAIへ入れれば見積が完成する」と一括りにせず、入力図面、AIが作る中間データ、人が確認する位置、最終出力を比較することが重要です。
この記事では、企業が公開している製品・技術情報から5つの活用パターンを整理します。各製品のランキングではなく、自社で検証範囲を決めるための事例研究です。
この記事の結論
図面AIの導入は、次の6工程で比較します。

- 対応する図面形式
- 図面の前処理
- AIが検出・生成する対象
- 人が修正できる画面
- 数量や加工データへの変換
- Excel・CAD・積算システムとの連携
図面・積算AIの活用事例5選
1. システムズナカシマ:図面上の材料候補を拾い出す
「拾いの匠NX」は、CADデータ、ベクタPDF、ラスタPDF、紙図面のスキャンなどを対象に、事前学習した部材と比較して材料候補を拾い出します。ベクタPDFでは建築平面図と電気設備機器・回路記号・配線をレイヤー分けし、結果を目視確認してCSVや材料帳票、積算システムへつなぎます(公式製品情報)。
ここでのポイントは、AI検出後に「拾った位置を人が確認する」工程が明示されていることです。
2. Panasonic:間取り図から商材積算を支援する
PanasonicのWEBハウズでは、間取り図取込、部屋設定、AI積算、CAD連携、標準仕様呼出しなどの操作マニュアルが公開されています。2026年には商材積算後に別商材をAI積算する機能も案内されています(Panasonic公式マニュアル)。
同じ「積算AI」でも、設備記号の数量拾いではなく、間取り図と商品仕様を結びつける用途です。自社が求める出力が数量表なのか、商品選定を含む見積なのかを先に確認します。
3. 竹中工務店・爽美:手書き図を加工用CADへ変換する
竹中工務店と爽美の「AI i-Bow」は、技能工が描いた手書き図を撮影し、AIが加工用CADデータへ変換します。CADデータはCAM技術を介してボード加工機の動作へ変換されます(竹中工務店公式発表)。
この事例は、図面を読むだけでなく、現場で使われている手書き入力を維持しながら後工程をデジタル化した例です。
4. 図面拾い出しAI:PDFから候補と数量表を作る
図面拾い出しAIでは、盤、器具、配管、ダクトなどの候補位置を抽出し、人が誤検出と拾い漏れを修正した後に数量表へ集計する構成があります。対象記号、縮尺、画質、凡例の有無によって検出条件が変わります。
ケンセツAIラボの図面拾い出しAI・積算AIも、完全自動で確定するのではなく、候補検出と人によるレビューを組み合わせる前提です。
5. 画像・図面と施工をつなぐ技術
鹿島建設のA4CSELは、熟練オペレーターの操作データとAI手法を用いた建機の自動運転、複数機械の配置・手順の最適化を組み合わせています(鹿島建設公式情報)。
積算AIとは用途が異なりますが、入力データを解析して終わるのではなく、施工計画や機械動作へ接続する例として参考になります。
AIに任せやすい工程と人が確認する工程
工程 | AIに任せやすい範囲 | 人が確認する内容 |
|---|---|---|
図面受付 | ファイル分類、ページ分割 | 対象図面、版、縮尺 |
前処理 | 傾き補正、レイヤー分離 | 凡例、欠損、画質 |
検出 | 記号・部材候補の提示 | 誤検出、拾い漏れ |
集計 | 種類別・ページ別集計 | 重複、除外条件 |
見積 | 単価マスタの適用 | 単価、施工条件、諸経費 |
出力 | Excel・CSV・CAD変換 | 最終数量と連携結果 |
PoC前に用意するもの
- 代表的な図面と難しい図面を分けて用意する
- 対象にする記号・部材を限定する
- 過去の正しい数量表または加工データを用意する
- 誤検出と拾い漏れを判定できる担当者を決める
- 精度だけでなく確認・修正時間も記録する
- Excel、CAD、積算ソフトへの出力要件を決める
自動化できる範囲の考え方は、図面拾い出しAIで人の確認を残すべき工程でも解説しています。
まとめ
図面・積算AIは、材料候補の抽出、商品積算、手書き図のCAD化など、対象業務によって入力と出力が異なります。製品名だけで比較せず、実際の図面を使い、候補検出から人の修正、最終出力まで一連の時間を測ることが重要です。
ケンセツAIラボについて
ケンセツAIラボでは、電気・空調・衛生設備などの2D図面、PDF、紙スキャンを対象に、記号や設備候補の検出、数量集計、Excel出力を支援する図面拾い出しAIを個別に設計します。
対象設備や図面形式を確認し、人がレビューする範囲まで含めて検証します。実際の図面を数枚用いた簡易デモから相談できます。
DRAWING TAKEOFF AI
実際の図面で、拾い出しの適用範囲を確認しませんか?
対象設備と図面形式を確認し、人がレビューする範囲まで含めた検証方法をご提案します。
ケンセツAIラボ編集部
建設・設備業の図面、仕様書、見積、受発注など、各社固有の業務に合わせたAI活用を調査・発信しています。
監修:株式会社ドットログ 開発チーム



