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大豊建設の「大豊AI」は、社内規程の検索だけでなく、議事録、要約、メール作成、日常的な質問までを1つの生成AI環境で扱う事例です。
大豊建設とAmazon Web Services Japanが共同執筆した公式事例では、利用人数、利用回数、質問分類、RAG構成、検索基盤の変更まで公開されています。この記事では、公開された事実とケンセツAIラボの考察を分けて整理します。
本記事は公開情報に基づく事例研究です。ケンセツAIラボまたは株式会社ドットログが、大豊建設のシステム開発へ関与したことを示すものではありません。
公開情報から分かる大豊AIの概要

項目 | 公開内容 |
|---|---|
全社展開 | 2025年6月 |
集計時点 | 全社展開から約8か月 |
利用者 | 307人 |
累計利用 | 32,709回以上 |
公開された効果 | 規程検索だけで約250時間削減 |
主な用途 | 規程検索、議事録、要約、メール、日常質問 |
これらはAWSの公式事例に記載された数値です。利用者1人当たりの効果や投資回収期間は公開されていません。
日常的な質問が利用の6割を占める
公開された利用分類では、日常的な質問、翻訳、Excel関数検索などが60.9%、建設業に特化した質問が24.1%、文章生成が8.3%、添削・校正が6.7%です。
専門業務だけを入口にせず、メールやExcelなど、正誤を利用者が判断しやすい小さな用途から使われています。公式事例では、この習慣が必要なときにAIを利用できる土台になると説明されています。
ケンセツAIラボの考察
全社導入で「高度な活用件数」だけを追うと、利用者が試す機会を減らす可能性があります。導入初期は、利用率、継続利用者数、質問の種類を観察し、専門業務へ移行できる利用者を増やす考え方が現実的です。
RAGのシステム構成
大豊AIはAmazon Bedrockを中心に、次のAWSサービスなどで構成されています。
- Amazon Bedrock:基盤モデルの利用
- Amazon Bedrock Knowledge Bases:RAG検索
- AWS Lambda:アプリケーションロジック
- Amazon S3:社内文書の格納
- Auth0:認証基盤
当初は別の検索基盤を利用していましたが、検索精度、特に社内規程に含まれる表の扱いが課題となり、Amazon Bedrock Knowledge Basesへ移行したことも公開されています。
この変更から、RAGは最初に選んだ構成を固定するのではなく、対象文書と評価質問に合わせて検索方法を改善する必要があると分かります。
公開情報だけでは分からないこと
- 307人が全従業員の何割に当たるか
- 質問・文書ごとの正答率
- 誤回答や回答不能の件数
- 権限別に検索対象をどう分けているか
- 開発・運用費用
- 約250時間削減の測定方法と対象期間
事例を自社へ当てはめるときは、非公開事項を推測せず、自社の利用者数、検索回数、従来時間で試算します。
自社導入へ応用する4段階
- メール、要約、表計算など確認しやすい用途を提供する
- 利用ログからよくある質問と対象部門を把握する
- 社内規程など対象を限定してRAGを検証する
- 検索結果を使う文書作成やエージェントへ広げる
最初から全社資料を対象にせず、問い合わせが多く、正式版が明確な規程やマニュアルから始めます。
まとめ
大豊AIの事例からは、日常利用で習慣を作り、専門検索へ広げる順序と、表を含む文書に合わせてRAG構成を見直す重要性が読み取れます。
自社で同様の取り組みを行う場合は、利用回数だけでなく、回答根拠、検索時間、修正内容、利用が継続している部門を記録します。
ケンセツAIラボについて
ケンセツAIラボでは、社内規程、仕様書、施工基準、過去見積などを対象に、根拠を確認できる社内ナレッジAIを設計・開発します。
1〜3点の資料を使った簡易デモで、図表の扱い、質問への回答、根拠ページ、回答できない場合の挙動を確認できます。全社導入前の小さな検証から相談可能です。
CONSTRUCTION KNOWLEDGE AI
社内資料に合わせた検索デモを作成できます。
仕様書や過去資料を1〜3点お預かりし、回答根拠まで確認できる簡易デモをご用意します。
ケンセツAIラボ編集部
建設・設備業の図面、仕様書、見積、受発注など、各社固有の業務に合わせたAI活用を調査・発信しています。
監修:株式会社ドットログ 開発チーム




